無申告・期限後申告の税理士費用はいくら?年数別の目安と失敗しない選び方
「無申告を税理士に頼んだら、いくら請求されるんだろう」。相談の前にいちばん気になるのが費用のはずです。結論から言うと、目安は1年分あたり80,000円〜から。ただし年数・記帳の有無・消費税申告の要否によって総額は大きく変わり、事務所によっても料金設定はさまざまです。
安さだけで選ぶと、無申告案件に不慣れな事務所に当たって余計な時間や税額がかかることもあります。この記事では、無申告・期限後申告を税理士に頼んだときの費用の内訳、年数別の概算目安、そして失敗しない選び方を整理します(金額はすべて概算・目安であり、実際の見積りは事務所ごとの状況確認が必要です)。
無申告・期限後申告の税理士費用はどう決まるか
期限後申告の費用は、通常の確定申告とは違い「何年分を」「どこまで税理士に任せるか」で変動します。見積りを比較するときは、次の3つの要素に分けて見るのが分かりやすいです。
逆に言えば、この3つの要素さえ押さえておけば、複数の事務所から見積りを取ったときに「なぜ金額に差が出ているのか」を自分で判断できるようになります。単純に総額の大小だけを比べると、片方は消費税込み、もう片方は消費税別といった前提の違いを見落としてしまうことがあるため、内訳を分解して見る癖をつけておくと安心です。
①年数分の申告料
期限後申告は1年ごとに申告書を作成するため、基本料金は「1年あたりの申告料×対象年数」で積み上がります。3年放置していれば3年分、5年放置していれば5年分の申告料がかかる計算です。ここが総額を左右する最大の要素になります。
②記帳代行の有無
クラウド会計などで自分なりに記録を付けている場合は「申告書作成のみ」で済み、費用は抑えられます。一方、通帳と領収書だけがあって帳簿がまったくない状態なら、税理士側で記帳から代行することになり、その分の記帳代行料が上乗せされます。無申告の相談では後者のケースが多く、ここが1年分作成のみのケースと丸投げのケースで料金差が出るポイントです。
③消費税申告の有無
課税売上が1,000万円を超えている年度がある場合や、インボイス登録をしている場合は、所得税・法人税の申告に加えて消費税の申告も必要です。消費税申告料は簡易課税か一般課税かでも変わり、目安としては簡易課税で50,000円前後、一般課税で80,000円前後を年度ごとに加算する事務所が多い印象です。無申告の年数が複数にまたがる場合、消費税の要否は年度ごとに確認が必要になります。
厄介なのは、無申告のまま数年が経過していると、自分では課税事業者に該当するかどうか正確に把握できていないケースが多いことです。開業当初は課税売上1,000万円以下だったのに、途中の年度から超えていた、あるいはインボイス登録をした年から義務が発生していた、ということもあります。この判定を誤ると後から申告漏れが見つかるため、無申告の解消では所得税・法人税と消費税をセットで年度ごとに確認するのが基本になります。
【年数別】税理士費用の概算目安
目安として、個人事業主が「申告書作成のみ」を依頼するケースと「記帳から丸投げ」するケースの概算を並べてみます。あくまで目安であり、事務所により大きく異なります。実際の金額は売上規模や仕訳数によって前後する点にご注意ください。
| 対象年数 | 申告書作成のみ(目安) | 記帳から丸投げ(目安) |
|---|---|---|
| 1年分 | 80,000円〜 | 120,000円〜 |
| 3年分 | 240,000円〜 | 360,000円〜 |
| 5年分 | 400,000円〜 | 600,000円〜 |
この表は「1年あたりの単価×年数」で単純計算した概算です。実際には複数年をまとめて依頼すると資料整理の効率が上がり、単価がやや下がる事務所もあります。逆に、年度ごとに売上規模が大きい、仕訳数が多いといった事情があれば、この目安より高くなることもあります。事務所により料金設定は大きく異なるため、最終的な金額は必ず個別の見積りで確認してください。
消費税の申告が必要な年度がある場合は、この表の金額に年度ごとの消費税申告料が別途加算されます。「所得税・法人税だけの見積り」なのか「消費税込みの見積り」なのかは、依頼前に必ず確認しておきたいポイントです。
「安い」だけで選ぶと危険な理由
無申告・期限後申告の依頼先を探すとき、料金の安さだけで決めるのはおすすめできません。通常の確定申告と違い、無申告案件には特有の難しさがあるからです。
無申告案件の経験値が結果を左右する
資料が不完全な状態から複数年分の帳簿を復元する作業は、通常の記帳代行より手間がかかります。無申告案件に慣れていない事務所だと、資料の再現方法が分からず時間ばかりかかったり、逆に安全側に寄せすぎて経費を過小に見積もり、余計な税額を払う結果になったりすることがあります。経験のある事務所ほど、限られた資料からどこまで再現できるかの判断が的確です。
税務署とのやり取りに対応できるか
すでにお尋ねの文書が届いている、あるいは税務調査の連絡が来ているといった状況では、税理士が税務代理人として税務署とのやり取りを引き受けられるかが重要になります。安さを優先して申告書の作成だけしか対応しない事務所を選んでしまうと、税務署との交渉は自分でやらざるを得ず、かえって負担が増えることがあります。
税務代理として申告書に代理人の名前を記載してもらえるかどうかも、見積り段階で確認しておきたいポイントです。単に「申告書を作ってもらう」のと「税務署とのやり取りごと任せられる」のとでは、依頼する側の安心感がまったく違います。無申告の相談で税理士に求められている役割の多くは、実は税額計算そのものより、この窓口対応の部分にあります。
スピード対応できるか
無申告のペナルティは「調査の通知が来る前に自主的に申告できるか」で大きく変わります。同じ費用でも、着手から申告完了までのスピードが遅い事務所に依頼してしまうと、その間に状況が進んでしまい、結果的に有利な自主申告のタイミングを逃すリスクがあります。見積り金額だけでなく、着手可能時期や完了までの目安期間もあわせて確認しておくと安心です。
費用を抑える3つのコツ
無申告の税理士費用は、依頼する側の準備次第である程度コントロールできます。特別なテクニックではなく、地道な工夫が効いてきます。
資料をできる範囲で揃えておく
通帳のコピー、領収書、請求書、クレジットカードの明細などを、完璧に整理する必要はありませんが、できる範囲で手元に集めておくと、税理士側の記帳作業が短縮され、記帳代行料を抑えられる可能性があります。資料が一部欠けていても、銀行の取引履歴の再発行や取引先への照会で補完できるケースは多いので、揃わない部分は正直に伝えれば大丈夫です。
早く動く(加算税の差でトータルが安くなる)
これがいちばん大きなコツです。税務調査の通知が来る前に自主的に申告すれば、無申告加算税は5%で済みます。調査の指摘を受けてからだと15〜30%に跳ね上がるため、税理士報酬そのものよりも、この加算税の差のほうが総支払額への影響は大きいことがほとんどです。「税理士費用を払うのがもったいない」と先延ばしにするほど、実際にはペナルティで多く払うことになりかねません。
クラウド会計で自分でできる部分は入力する
今後の分だけでもクラウド会計に入力できるようになれば、「申告書作成のみ」の料金体系に切り替えられ、記帳代行料の分だけ費用を圧縮できます。無申告の解消をきっかけに記帳を習慣化すれば、来年以降の費用も下げられるという意味で、長い目で見た投資にもなります。
無理にすべてを自分でやろうとする必要はありません。難しい仕訳や判断に迷う経費だけ税理士に確認しながら、日々の入力は自分で続けるといった役割分担でも十分に費用は下がります。完璧な記帳を目指すより、まず入力を止めないことのほうが、翌年以降の無申告を防ぐうえでも効果があります。
相談時に持っていくもの・聞かれること
初回相談をスムーズに進め、正確な見積りをもらうために、事前に準備しておきたいものがあります。
- 通帳のコピーや取引履歴(あるだけでOK)
- 領収書・請求書(整理されていなくても構わない)
- 開業届や法人設立の時期が分かるもの
- 税務署から届いた文書があればその写し
- おおよその年間売上のイメージ(正確でなくてよい)
相談の場では、無申告の期間、資料の残り具合、消費税の課税事業者に該当しそうか、税務署からの連絡の有無などを聞かれるのが一般的です。「何年前からか正確に覚えていない」「資料が一部しかない」といった状態でも問題なく相談できるので、分かる範囲で答えれば十分です。むしろ、不安な点や心配していることを率直に伝えたほうが、見積りの精度も上がります。
また、住宅ローンの審査やインボイス登録など「いつまでに終わらせたいか」という期限がある場合は、それも合わせて伝えておくと良いです。優先順位をつけて処理を進められるかどうかは事務所によって差があり、期限の有無が見積りやスケジュールに影響することもあります。
ISJの費用感と対応の流れ
ISJでは、無申告・期限後申告のご依頼を個人の確定申告80,000円〜/1年分(クラウド会計等にご自身で入力できている場合)、領収書や通帳をお預かりして記帳から丸投げいただく場合は120,000円〜/1年分を目安にご案内しています。作業に着手する前に、必ず明確な見積り金額を提示してから進めますので、後から想定外の追加請求が発生することはありません。
領収書が段ボールに入ったままでも、通帳のコピーしかなくても構いません。無申告のご相談は日常的に受けており、責めることは絶対にありません。全国オンラインで対応しているため、地元の税理士には相談しづらいという方にもご利用いただいています。具体的な費用は確定申告・期限後申告の料金表もあわせてご確認ください。
よくある質問
見積りを聞くだけでも料金はかかりますか?
初回の相談・見積りは無料としている事務所が多く、ISJも初回無料面談で状況を伺ったうえで見積りを提示しています。依頼するかどうかは見積り金額を確認してから判断できるので、まずは相談だけでも問題ありません。見積りの内容に納得できなければ、その場で依頼を決めなくても構いません。
分割払いには対応してもらえますか?
税理士報酬の分割払いに対応するかどうかは事務所ごとに異なるため、資金的に一括での支払いが難しい場合は、相談の際にその旨を伝えておくのがおすすめです。なお、税金本体の納付についても、税務署へ分割納付を相談できる場合があるので、あわせて確認しておくと資金繰りの見通しが立てやすくなります。
見積りより費用が膨らむことはありますか?
資料を確認していく中で、当初想定より仕訳数が多い、追加で消費税の申告が必要と分かるなど、見積り時に把握できなかった事情が出てくることはあります。ただし、着手前に見積りを明示し、追加が発生する場合は事前に説明する事務所を選べば、後から不当に高額な請求をされる心配は避けられます。契約前に「追加費用が発生しうる条件」を確認しておくだけでも、想定外の請求への不安はかなり減らせます。
まとめ:費用は「年数×内容」で決まる。動くほど総額は下がる
無申告・期限後申告の税理士費用は、対象年数、記帳代行の有無、消費税申告の要否で決まります。目安は1年分80,000円〜からですが、事務所により大きく異なるため、必ず個別の見積りで確認してください。安さだけで選ばず、無申告案件の経験や税務署対応力、スピード感も含めて比較することが、結果的に総額を抑える近道です。
そして何より、動き出しが早いほど無申告加算税は軽くなり、税理士費用以上の差がトータルの支払額に出ます。ISJは期限後申告・無申告の解消を得意とする税理士法人です。全国オンライン対応・来所不要で、資料が不完全な状態からでも立て直せます。まずは現状をお聞かせください。


