「税理士が何もしない」と感じたら?乗り換え前に知っておくべき3つのこと
「税理士が何もしてくれない」「相談しても反応が遅い」「節税の提案が一切ない」──そんな不満を抱えながらも、誰に相談すればいいのか分からず、そのまま関係を続けている経営者は少なくありません。実際、税理士とのミスマッチは多くの会社で起きており、その原因は“能力不足”ではなく、お互いの前提や期待値がすれ違っていることにある場合がほとんどです。
この記事では、まず本当に「何もしていない」のかを整理し、見直すべきポイントや、関係改善のためにできる行動を分かりやすく解説します。そのうえで、乗り換えを検討すべきサインや、良い税理士を見つけるための視点も紹介します。
「今のままでいいのか?」と感じているなら、この記事は必ず役に立ちます。あなたの会社にとって最良のパートナー選びのヒントを、ぜひこの機会に掴んでください。
1. 「何もしない税理士」とは本当に“何もしていない”のか?まずは事実を整理しよう
そもそも税理士の業務範囲を理解できているか
「税理士が何もしてくれない」と感じるとき、実はお互いの“前提”がずれていることが多いです。税理士の仕事には、記帳や申告書の作成など法律で決められた基本業務と、経営相談や節税提案といったオプション業務があります。
たとえば「経営の相談にも乗ってくれると思っていた」のに、契約上は書類作成だけになっているケースも珍しくありません。これは税理士が悪いというよりも、「どこまでお願いできるのか」が明確になっていないだけです。
まずは契約書を見返し、どこまでが含まれているのかを確認してみましょう。それだけでモヤモヤが整理され、今後の付き合い方が見えてくるはずです。
税理士が動かない3つの背景
税理士が積極的に提案してくれない理由は、単に怠けているからではない場合も多いです。
たとえば顧問料が安く、ひとりの税理士が何十社も担当していると、じっくり税務や財務、経営の相談に乗る時間がとれません。
また、担当者が変わったり、社内での引き継ぎがうまくいかず、提案どころではないというケースもあります。
さらに「社長から相談がない=困っていない」と受け取られていることもあります。
こちらから「最近こういうことで悩んでいる」と話題を出すだけで、やり取りが活性化することもあります。お互いの立場や状況を知ることが、関係を見直す第一歩になります。
「何もしてくれない」と感じたらまず確認すべきチェックリスト
本当に“何もしていない”のか、それとも“見えづらいだけ”なのかを整理してみましょう。
最近、月次報告や試算表をもらっていますか? その内容を説明してもらえていますか? 3か月以上、提案やアドバイスがない場合は要注意です。
また、税金の話だけでなく「今後の資金繰り」や「経営の方向性」について話す機会があるかも重要なポイントです。もし会話のたびに新しい気づきや次の行動が浮かばないなら、それは“相談できる関係”とは言えません。
まずはこのチェックリストで現状を把握し、必要であれば対話のきっかけを作ることから始めてみましょう。
2. 乗り換え前にすべき“3つの見直し”で関係をリセットする
① 期待値をすり合わせる「率直な対話」を試みる
不満を感じたら、いきなり「もう変えよう」ではなく、まずは率直に話してみることをおすすめします。意外と多いのが、「お互いが悪気なくズレている」ケースです。
社長は「もっとアドバイスしてほしい」と思い、税理士は「うまくいっているから特に連絡しなくていい」と思っている。
そんなすれ違いを放っておくと、信頼関係が薄れてしまいます。改善の第一歩は、「自分はどんなことを相談したいのか」「どんな関係を望んでいるのか」を具体的に伝えることです。
たとえば「経営の話を月に1回だけでも聞いてほしい」とお願いするだけで、意識がガラッと変わることもあります。
② 顧問契約の内容と報酬体系を見直す
「契約を見直す」と聞くと堅苦しく感じるかもしれませんが、実はこれが関係を改善する一番の近道です。税理士との契約は、最初に決めた内容のまま何年も更新されていることが多く、今の会社の規模やニーズに合っていないこともあります。
たとえば創業時は書類中心のサポートで十分でも、今はスタッフも増えて経営の相談が必要になっているかもしれません。
その場合、プランを少し上げて「定期面談」や「経営アドバイス付き」の顧問に切り替えるだけで、関係性は大きく変わります。
顧問料を上げる=損ではなく、会社の未来への“投資”と考えると見方が変わります。
③ コミュニケーションの仕組みを変えてみる
税理士に動いてもらうためには、「話す仕組み」を作ることが大切です。多くの経営者が「相談したいけど忙しくて時間が取れない」と感じていますが、15分でもオンラインで話すだけで状況は大きく変わります。
チャットで気軽に質問できる環境や、月に1度の定例ミーティングを設けるなどすれば、税理士も会社の流れをつかみやすくなります。
また、「最近売上が変化している」「経費が増えた」など小さな情報を共有するだけでも、税理士から有意義な提案が返ってくることがあります。会話の場を増やす=信頼関係を深めること。難しく考えず、“雑談から始める”くらいの気持ちでOKです。
3. 本当に乗り換えるべきタイミングと、良い税理士の見つけ方
乗り換えを検討すべき明確なサイン
次のような状態が3か月以上続くようなら、税理士を見直すサインかもしれません。
・質問しても返事が遅い、または曖昧な回答しかない
・毎月の数字報告はあるが、経営にどう影響するか説明がない
・節税や補助金などの提案が全くない
・決算のとき以外、一度も会話がない
こうした状況が続くと、税理士との関係は“報告だけの関係”になってしまいます。数字を整理するだけなら誰でもできますが、「どうすれば会社が良くなるか」を一緒に考えてくれるかどうかが本当の価値です。
迷ったときは、「この人とこれからも経営の話ができるか?」を基準に判断しましょう。
乗り換えのベストタイミング
税理士を変えるなら、時期選びも重要です。決算直後が最もスムーズで、数字の整理が終わっているため新しい税理士への引き継ぎも楽になります。
また、契約更新月に合わせるとトラブルも防げます。乗り換えの前には、直近1〜2年分の申告書や試算表をまとめておくと、初回面談がスムーズに進みます。税務署への“変更届出書”の提出も忘れずに。
ただし、「すぐに変える」よりも、「次の税理士とどう付き合いたいか」を明確にすることが大切です。乗り換えはゴールではなくスタート。新しい税理士には“これを一緒にやりたい”という思いを伝えましょう。
ISJが提案する“伴走型顧問”という選択肢
ISJでは、単に会計処理をするだけでなく、社長と一緒に経営のことを考える「伴走型顧問」を行っています。数字をもとに「今何が課題か」「次にどんな手を打つか」を一緒に整理します。
たとえば「利益が出ているのにお金が残らない」「どこに手をつければ利益が上がるのか分からない」といった悩みを、数字を使って一緒に分析し、行動につなげます。単なる士業というより、“経営の相談役”として頼られる存在でありたいと考えています。小さな相談からでも大歓迎です。
何もしてくれないの裏には、必ず理由がある
税理士が動かない理由は、怠けているからとは限りません。お互いに「どこまで頼めるか」「どんな関係を望んでいるか」が伝わっていないだけのことも多いです。まずは対話や契約の見直しで改善できるか試してみましょう。それでも価値観が合わない場合は、次のステージへ進む時期です。
会社の数字を整えるだけでなく、経営そのものを一緒に考えてくれる税理士と出会えれば、経営はもっと楽になります。ISJでは、そんな“社長に寄り添う税理士”を目指しています。あなたの会社の未来を、私たちと一緒に育てていきましょう。